本質を教えるセミナーをしたい?テクニックを教えたい?
私は小手先のテクニックではなくて本質を教えたい!
これは、私のもとに相談にやってくる受講生さんから定期的に聴く想いです。確かに本質は大切ですからね。
でも、小手先の技術から教えるセミナーも間違いではありません。むしろ、私にとっては大好物です。
受講生の変化・成長の観点から考える
受講生の変化・成長の最短距離は、最初に本質をつかみ、その本質に則ってテクニックやスキルを身に着けていくことだと思います。これが理想的なステップになるでしょう。
ここでポイントになるのが、最初の講座で本質が掴めるかどうかです。本質を話すだけなら簡単なのですが、受講生の腹に落ちなければ意味がありません。ここは講師の伝え方、受講生の経験や価値観によって左右されるところです。
一方で、私は最初にテクニックやスキルを教えても問題ないと思っています。これは、私の体験から来る考え方になります。
市川先生のエピソード
このように、私は講師が本質を説明したときに、頭では理解しつつも、腹落ちできないタイプでした。なぜなら、そこに体感が無いからです。
世の中には、私のように行動する中でジワジワと本質を理解していく人もいます。だから、先に行動(テクニック)を教え、そこから本質に気付いてもらう形でも、まったく問題ないと考えています。
そもそも大切なのは受講生が変化・成長することです。「本質を教えたい」にも「おすすめのテクニックを教えたい」にも、講師の価値観が入っています。受講生が変化・成長し、前に進めるのであれば、教えるのは本質でもテクニックでも構わないのではないでしょうか。
私は、今でこそコミュニケーション講師をしていますが、元々はコミュニケーションがとても苦手でした。共感力がなく、相手を理解できない…。だから踏み込んだコミュニケーションができず、一歩離れた関係しか構築できずにいたのです。
実は、私は学生時代からの友人とは一切繋がっていません。SNSで友達登録はしてあるものの交流は皆無です。唯一の例外は、大学で知り合った奥さんのみ…。そのため、私の付き合いは社会人になってから出会った人ばかりです。
実際に、私は社会人になってからコミュニケーションや心理学を学び始めました。でも、学び始めた当初は「相手目線になる」「相手の気持ちを考える」「愛」について、頭では理解しつつもピンと来ない状態でした。
「他の人が何を考えているかなんて分からないし…」というのが当時の私の考え方です。
そこで私がとった行動は、テクニックやスキルの実践です。「これをやると、相手のからの反応が変わるよ」というテクニックやスキルを使ってみることから始めました。
私が実践したのは「相手の発言に対して、最初に肯定的な反応で返す」ということだけです。これをやるようになったことで、雑談がスムーズになるし、相手が嬉しそうに話してくれるし、こちらの話も聞いてくれるようになるしで「ここまで変わるのか」と感動したものです。
さらに、自然と話を聞く姿勢が整うなど、色々なメリットがありました。
このように自分で体験し、「これで良いのか」という実体験が、コミュニケーションに対する私の意識・向き合い方・マインドを育んでいきました。そして、少しずつ本質を理解できるようになったのです。
つまり、最初は本質やマインドが理解できなかったけれど、テクニックやスキルを使ってみたら、少しずつ実感できた…ということですね。